70歳の男性。15年前の脳出血による右痙性片麻痺。右尖足に対して機能的電気刺激を行うこととした。刺激部位として適切なのはどれか。
- A
- B
- C
- D
- E
解答解説
正解は1.Aです。
尖足に対する機能的電気刺激(FES)は、足関節背屈を補助することを目的としています。足関節背屈に関与する主な筋肉は前脛骨筋であり、刺激電極を置く適切な部位は前脛骨筋の筋腹(図のA)です。この部位に電極を配置することで、筋収縮を誘発し、足関節を背屈させることが可能です。
選択肢の解説
- A
Aは前脛骨筋の筋腹に該当します。前脛骨筋は足関節の背屈と内反を行う筋肉で、尖足の補正には最適な筋肉です。FESで足関節背屈を誘導する際、正確な筋収縮を得るためにはこの部位を刺激する必要があります。この選択肢が正解です。 - B
Bは腓腹筋の筋腹付近を示しています。腓腹筋は足関節の底屈に関与する筋肉であり、尖足を補正する目的には適しません。この選択肢は誤りです。 - C
Cは長趾屈筋に近い部位を示しています。長趾屈筋は足趾の屈曲に関与する筋肉であり、足関節背屈には関与しません。FESの目的には合致しないため、この選択肢は誤りです。 - D
Dは膝窩筋に近い部位を示しています。膝窩筋は膝関節の屈曲や回旋に関与しますが、足関節背屈とは直接関係がありません。この選択肢は誤りです。 - E
Eは腓骨筋群(長腓骨筋や短腓骨筋)の部位を示しています。これらの筋肉は足関節の外反と底屈に関与するため、尖足補正には適しません。この選択肢は誤りです。
ワンポイントアドバイス
尖足の補正には、前脛骨筋をターゲットとしたFESが有効です。前脛骨筋の筋腹を正確に把握し、刺激電極を配置することが成功の鍵となります。また、適切な電極配置を行うことで、効率的な筋収縮が得られ、歩行機能の改善が期待できます。他の筋肉との作用の違いも理解しておきましょう。