第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題100

親しい人間関係を構築できず、奇異な考え方や風変わりな行動が継続してみられ、パーソナリティ障害を指摘された。最も考えられるのはどれか。

  1. 演技性パーソナリティ障害
  2. 依存性パーソナリティ障害
  3. 統合失調型パーソナリティ障害
  4. 猜疑性(妄想性)パーソナリティ障害
  5. シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害

解答解説

正解は3です。

統合失調型パーソナリティ障害は、親しい人間関係の構築が困難で、奇妙な考え方や風変わりな行動、現実と異なる認識が特徴です。 これは統合失調症に近い特徴を持つものの、幻覚や明確な妄想はありません。

選択肢の解説

  1. 演技性パーソナリティ障害
    誤りです。 演技性パーソナリティ障害は、注目を集めるために感情を誇張したり、派手な行動を取ることが特徴で、奇異な考え方や風変わりな行動とは異なります。
  2. 依存性パーソナリティ障害
    誤りです。 依存性パーソナリティ障害は、他人に過剰に依存し、自分で決断することを避ける傾向が特徴で、質問文の奇異な考え方や行動とは一致しません。
  3. 統合失調型パーソナリティ障害
    正しい記述です。 この障害は、親しい人間関係の欠如、奇異な思考や行動、社会的孤立が特徴であり、質問文に最も合致します。
  4. 猜疑性(妄想性)パーソナリティ障害
    誤りです。 猜疑性パーソナリティ障害は、他人への強い不信感や疑念が特徴で、奇異な考え方や行動が目立つわけではありません。
  5. シゾイド(統合失調質)パーソナリティ障害
    誤りです。 シゾイドパーソナリティ障害は、社会的関係を避け、感情表現が乏しいことが特徴です。ただし、奇異な考え方や行動という点では統合失調型パーソナリティ障害に劣ります。

ワンポイントアドバイス

統合失調型パーソナリティ障害は、統合失調症に近い特徴(奇妙な思考や行動)を持ちながらも、幻覚や明確な妄想がない点で異なります。この疾患はパーソナリティ障害の中でも特異的であり、統合失調症との鑑別が重要です。