手関節背屈位で手をついて転倒した患者のエックス線単純写真(別冊No.5)を別に示す。この病態として正しいのはどれか。
- chauffeur’s骨折
- Colles骨折
- Galeazzi骨折
- Monteggia骨折
- Smith骨折
解答解説
正解は2. Colles骨折です。
解説
Colles骨折は、手関節の背屈位で手をついて転倒した際に生じる遠位橈骨骨折です。次の特徴があります:
- 遠位橈骨の背側への転位
- フォーク状変形(dinner fork deformity)と呼ばれる外観変化
- 高齢者に多く、骨粗鬆症が関与していることが多いです。
その他の選択肢:
- chauffeur’s骨折
橈骨茎状突起の骨折で、背屈位転倒による外傷とは関係がありません。むしろ外力が直接茎状突起に加わった場合に起こります。 - Galeazzi骨折
橈骨骨幹部骨折に加えて遠位橈尺関節の脱臼を伴う損傷です。手関節の背屈転倒による典型的な骨折ではありません。 - Monteggia骨折
尺骨骨幹部骨折と橈骨頭脱臼を伴う損傷で、前腕全体に強い外力が加わった場合に起こります。 - Smith骨折
Colles骨折とは逆に、手関節屈曲位での転倒時に生じる骨折で、橈骨の掌側転位が特徴です。
ワンポイントアドバイス
手関節の骨折は、外力のかかり方や手のつき方によって異なる特徴を示します。Colles骨折は背屈位での転倒、Smith骨折は屈曲位での転倒が原因です。エックス線画像を確認して、骨の転位方向を正確に判断することが重要です。