「自分がやっていることなのに、自分がやっている感じがしない」と訴える患者の症状はどれか。
- 恐怖症
- 拒絶症
- 離人症状
- 心気症状
- 感情鈍麻
解答解説
正解は3です。
離人症状とは、自分自身や周囲の環境が現実味を失い、自分が自分であるという感覚が乏しくなる状態を指します。 患者は「自分がやっていることなのに、自分がやっている感じがしない」「現実感がない」といった主観的な違和感を訴えます。
選択肢の解説
- 恐怖症
誤りです。 恐怖症は特定の状況や対象に対して強い恐怖を感じる症状であり、離人感や現実感の喪失とは異なります。 - 拒絶症
誤りです。 拒絶症は特定の動作や行動を拒否する状態を指し、離人症状のような現実感の喪失や自己の違和感は含まれません。 - 離人症状
正しい記述です。 離人症状は、自分の行動や存在に現実感が失われる症状です。解離性障害やうつ病、パニック障害などに伴うことがあります。 - 心気症状
誤りです。 心気症状は自分の健康状態に過度に不安を感じる状態であり、離人感や現実感の喪失とは異なります。 - 感情鈍麻
誤りです。 感情鈍麻は感情の動きが乏しくなる状態を指し、統合失調症などで見られることがありますが、離人症状のような主観的な違和感とは異なります。
ワンポイントアドバイス
離人症状は、現実感の喪失や自己感覚の変容が特徴です。パニック障害や解離性障害、うつ病など多くの精神疾患でみられるため、診断時には併存疾患の可能性を考慮することが重要です。また、患者の主観的な訴えを丁寧に聞くことが診断の手がかりとなります。