第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題92

腎不全における透析療法について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 透析対象者数は年々増加傾向にある。
  2. 血液透析よりも腹膜透析の割合が多い。
  3. 昼間透析よりも夜間透析の割合が多い。
  4. 透析導入の原因疾患は糖尿病性腎症が最も多い。
  5. 透析対象者の死亡原因として腎不全が最も多い。

解答解説

正解は1と4です。

日本では透析対象者数が年々増加しており、透析導入の主な原因は糖尿病性腎症が最も多いです。 高齢化と糖尿病患者の増加が透析患者数増加の主な要因となっています。

選択肢の解説

  1. 透析対象者数は年々増加傾向にある。
    正しい記述です。 日本では透析患者数は年々増加しており、これは高齢化社会の進行や糖尿病性腎症患者の増加に起因します。
  2. 血液透析よりも腹膜透析の割合が多い。
    誤りです。 日本では血液透析が圧倒的に主流で、腹膜透析の割合は5%以下にとどまっています。
  3. 昼間透析よりも夜間透析の割合が多い。
    誤りです。 日本では昼間透析が一般的であり、夜間透析は少数派です。
  4. 透析導入の原因疾患は糖尿病性腎症が最も多い。
    正しい記述です。 日本における透析導入原因疾患の1位は糖尿病性腎症で、次いで慢性糸球体腎炎、腎硬化症が続きます。
  5. 透析対象者の死亡原因として腎不全が最も多い。
    誤りです。 透析患者の主な死亡原因は心血管疾患(心筋梗塞、心不全など)や感染症が多く、腎不全そのものが主な死亡原因ではありません。

ワンポイントアドバイス

透析療法に関する問題では、血液透析が主流であること、透析導入の原因疾患の1位が糖尿病性腎症であること、死亡原因が心血管疾患や感染症であることを押さえておきましょう。また、腹膜透析の割合が少ない点も重要です。