第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題12

50歳の男性。1か月前から腰痛と右殿部痛が生じ、徐々に右下肢の疼痛が増悪してきた。腰部MRI(別冊No. 2)を別に示す。この病態で陽性になるのはどれか。

  1. Apley test
  2. Lasègue test
  3. Lachman test
  4. Thompson test
  5. McMurray test

解答解説

正解は2. Lasègue testです。

解説

MRI画像を見ると、腰椎椎間板ヘルニアが疑われます。腰椎椎間板ヘルニアでは、突出した椎間板が神経根を圧迫することで、下肢痛や神経症状(坐骨神経痛)を引き起こします。この病態では、Lasègue test(ラセーグテスト)が陽性となる可能性が高いです。

  • Lasègue testは、仰臥位で下肢を伸展した状態で挙上し、坐骨神経が伸張されることで神経根の圧迫による疼痛が誘発されるかを確認するテストです。椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛で陽性反応が出やすい特徴があります。

その他の選択肢

  1. Apley test
    Apley testは膝関節の半月板損傷を評価するテストであり、本症例の病態には関連しません。不正解です。
  2. Lachman test
    Lachman testは膝関節の前十字靱帯損傷を評価するテストです。本症例の腰椎椎間板ヘルニアとは無関係です。不正解です。
  3. Thompson test
    Thompson testはアキレス腱断裂を評価するテストであり、本症例の病態には関連しません。不正解です。
  4. McMurray test
    McMurray testは膝関節の半月板損傷を評価するテストです。本症例の腰椎椎間板ヘルニアとは無関係です。不正解です。

ワンポイントアドバイス

腰椎椎間板ヘルニアでは、Lasègue testSLR(Straight Leg Raise)テストが重要な評価手段となります。これらのテストでは、坐骨神経の伸展に伴う神経症状の再現を確認します。MRI画像や臨床症状と組み合わせて正確な診断を行えるよう、病態に関連する検査を理解しておきましょう。