脊髄ショック期の徴候として正しいのはどれか。
- 温痛覚解離
- 痙性四肢麻痺
- 肛門括約筋反射消失
- 深部腱反射亢進
- 排尿反射亢進
解答解説
正解は3です。
脊髄ショック期では、急性期において脊髄の全ての反射が一時的に消失します。 そのため、深部腱反射や肛門括約筋反射も消失します。この状態は、脊髄損傷後に見られる特徴的な反応で、数日から数週間後に反射が回復し始めます。
選択肢の解説
- 温痛覚解離
誤りです。 温痛覚解離は脊髄空洞症などの一部の特定疾患で見られる徴候であり、脊髄ショック期の特徴ではありません。 - 痙性四肢麻痺
誤りです。 脊髄ショック期では一時的に弛緩性麻痺が見られます。痙性麻痺はショック期を脱した後に現れることがあります。 - 肛門括約筋反射消失
正しい記述です。 脊髄ショック期では、肛門括約筋反射が消失するのが典型的です。これにより、肛門周囲の緊張が低下します。 - 深部腱反射亢進
誤りです。 脊髄ショック期では深部腱反射は消失します。反射が亢進するのはショック期が終わり、上位ニューロン障害による痙性が現れた場合です。 - 排尿反射亢進
誤りです。 脊髄ショック期では排尿反射も消失します。その後、反射が回復すると、排尿反射が亢進することがあります。
ワンポイントアドバイス
脊髄ショック期の特徴は、急性期に脊髄反射が全て消失し、弛緩性麻痺が見られることです。反射の回復期には、反射亢進や痙性麻痺が出現するため、ショック期と回復期の徴候を区別して覚えることが重要です。