人工呼吸器を使用している重症心身障害児の気管吸引を実施する上で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 気管吸引後、聴診する。
- 気管吸引時にはSpO₂を確認する。
- 吸引圧は20 kPa(150 mmHg)以上に設定する。
- 吸引カテーテルは気管分岐部の先まで挿入する。
- 気管吸引は1回の吸引につき30秒間程度持続して行う。
解答解説
正解は1. 気管吸引後、聴診すると2. 気管吸引時にはSpO₂を確認するです。
解説
気管吸引は、気道を確保し分泌物を除去するための重要な処置です。特に人工呼吸器を使用している重症心身障害児では、適切な吸引が重要です。以下が正しい方法です。
- 気管吸引後、聴診する
気管吸引後に聴診を行うことで、気道が適切にクリアになったか、残留音がないかを確認します。これが重要な手順です。 - 気管吸引時にはSpO₂を確認する
吸引中や吸引後のSpO₂(酸素飽和度)を確認することで、酸素の供給状態や低酸素症の有無をモニタリングします。 - 吸引圧は20 kPa(150 mmHg)以上に設定する
吸引圧は10〜20 kPa(75〜150 mmHg)程度に設定するのが一般的です。20 kPaを超える吸引圧は気道粘膜を損傷する可能性があるため、不適切です。 - 吸引カテーテルは気管分岐部の先まで挿入する
気管分岐部を越える挿入は気道損傷や過剰な刺激を引き起こす可能性があるため、不適切です。気管分岐部手前で止めます。 - 気管吸引は1回の吸引につき30秒間程度持続して行う
吸引は1回10〜15秒以内で行うのが原則です。30秒間の持続吸引は低酸素症のリスクが高まるため、不適切です。
ワンポイントアドバイス
気管吸引の手順は、安全性を確保しつつ、気道のクリアランスを改善することが目的です。吸引圧や挿入深度、吸引時間の適切な範囲を正確に理解しておきましょう。また、患者の状態を確認するために、聴診やSpO₂のモニタリングを忘れないことが重要です。