第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題40

脳卒中後の左片麻痺の患者が車椅子からベッドへの移乗動作を行う際の介助方法として適切なのはどれか。

  1. 装具は外して行う。
  2. 車椅子の後方から介助する。
  3. 車椅子上で臀部を前方に移動させておく。
  4. ベッドに対して車椅子を平行に設置する。
  5. ベッドの高さは車椅子の座面よりも高くしておく。

解答解説

正解は3. 車椅子上で臀部を前方に移動させておく。です。

解説

車椅子からベッドへの移乗動作では、患者が安全に移動しやすくなるよう、事前の準備や介助が重要です。特に臀部を前方に移動させておくことで、重心を移しやすくなり、安全かつスムーズに移乗できます。

選択肢ごとの解説

  1. 装具は外して行う。
    車椅子からの移乗では、足関節の安定性を保つために装具を装着したまま行うのが一般的です。装具を外すと、転倒リスクが高まる可能性があります。不適切です。
  2. 車椅子の後方から介助する。
    介助者は患者の側方または正面に立ち、必要に応じて支えるのが適切です。後方から介助するのは不安定であり、不適切です。
  3. 車椅子上で臀部を前方に移動させておく。
    臀部を前方に移動させることで、重心が移動しやすくなり、安全でスムーズな移乗が可能になります。適切です。
  4. ベッドに対して車椅子を平行に設置する。
    車椅子をベッドに対して斜めに配置することで、移乗距離が短くなり移乗が容易になります。平行に設置すると移動距離が長くなり、介助が困難になるため不適切です。
  5. ベッドの高さは車椅子の座面よりも高くしておく。
    ベッドの高さは車椅子の座面よりもやや低いか、同じ高さにするのが一般的です。座面より高いと移乗が難しくなるため、不適切です。

ワンポイントアドバイス

車椅子からベッドへの移乗介助では、患者の重心移動をスムーズにする準備(臀部を前方に移動、車椅子とベッドの適切な配置、高さ調整)が重要です。また、患者の麻痺側を考慮して介助する位置を工夫することも大切です。