脊髄損傷の機能残存レベルと可能な動作の組合せで正しいのはどれか。ただし、機能残存レベルより下位は完全麻痺とする。
- C4 ─ 万能カフを用いた食事
- C5 ─ 前方移乗
- C6 ─ 橈側-手掌握り
- C7 ─ 更衣
- C8 ─ 長下肢装具での歩行
解答解説
正解は4です。
C7レベルの損傷では、三角筋や上腕三頭筋、手指伸筋(特に橈側手根伸筋)が機能しているため、更衣などの自己管理動作が可能です。 自助具の活用により、日常生活動作を補助することができます。
選択肢の解説
- C4 ─ 万能カフを用いた食事
誤りです。 C4損傷では、肩を動かす機能(僧帽筋や肩甲挙筋)が残存していますが、上肢の動きが著しく制限されるため、万能カフを用いた食事は難しいです。主に介助が必要です。 - C5 ─ 前方移乗
誤りです。 C5損傷では上腕二頭筋が機能するため肘の屈曲が可能ですが、手関節や手指の動きが制限されるため、自力での前方移乗は困難です。 - C6 ─ 橈側-手掌握り
誤りです。 C6損傷では手関節の伸展(伸筋群)が可能になり、テンodesis(腱の引き伸ばしを利用した把持動作)が可能ですが、正確な「手掌握り」は難しいです。 - C7 ─ 更衣
正しい記述です。 C7損傷では上腕三頭筋や手指伸筋の機能があるため、上肢を用いた更衣が可能です。手指の細かい操作が制限される場合でも、自助具を活用することで更衣動作が行えます。 - C8 ─ 長下肢装具での歩行
誤りです。 C8損傷では手指の筋力がほぼ正常に近い状態となるため、手の動作が可能ですが、下肢は完全麻痺状態のため、長下肢装具を用いての歩行はできません。
ワンポイントアドバイス
脊髄損傷のレベルごとの機能残存を正確に把握することが重要です。C5では肘の屈曲、C6では手関節の伸展、C7では肘の伸展、C8では手指の動作が可能となります。それぞれの機能に基づく日常生活動作(ADL)の範囲を理解し、試験対策に役立てましょう。