第53回理学療法士国家試験　午前問題62

伸張反射について正しいのはどれか。

1. 侵害受容反射である。
2. 単シナプス反射である。
3. 求心性線維はⅠb群線維である。
4. 遠心性線維はγ運動線維である。
5. 筋紡錘内の錘内線維を支配するのはα運動線維である。

解答解説

正解は2です。

伸張反射は単シナプス反射です。筋紡錘で感知された筋の伸張刺激がⅠa群求心性線維を通じて脊髄に伝わり、直接α運動ニューロンを介して同じ筋を収縮させます。単一のシナプスを介するため「単シナプス反射」と呼ばれます。

選択肢の解説

1. 侵害受容反射である。
   誤りです。 侵害受容反射（屈曲反射）は有害刺激に対する多シナプス反射であり、伸張反射ではありません。伸張反射は筋紡錘が関与する反射です。
2. 単シナプス反射である。
   正しい記述です。 伸張反射はⅠa群求心性線維が脊髄で直接α運動ニューロンとシナプスを形成する単シナプス反射です。
3. 求心性線維はⅠb群線維である。
   誤りです。 伸張反射に関与する求心性線維はⅠa群線維です。Ⅰb群線維はゴルジ腱器官に関連する抑制系反射に関与します。
4. 遠心性線維はγ運動線維である。
   誤りです。 伸張反射では遠心性線維としてα運動線維が働きます。γ運動線維は筋紡錘内の錘内線維を調節する役割を持っています。
5. 筋紡錘内の錘内線維を支配するのはα運動線維である。
   誤りです。 筋紡錘内の錘内線維を支配するのはγ運動線維です。α運動線維は錘外線維（骨格筋の主要部分）を支配します。

ワンポイントアドバイス

伸張反射は筋紡錘がⅠa群線維を介して感知した筋の伸張に応じる単シナプス反射です。Ⅰa群線維（求心性）、α運動線維（遠心性）、筋紡錘、錘外線維、錘内線維、γ運動線維の役割を整理して覚えると、反射に関する問題に対応しやすくなります。