第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題74

正常歩行について正しいのはどれか。

  1. 肩関節は同側の踵接地時に最大屈曲位となる。
  2. 膝関節は踵接地直後に伸展する。
  3. 骨盤は水平面において回旋運動をする。
  4. 骨盤は前額面において水平に保たれる。
  5. 骨盤は遊脚側へ側方移動する。

解答解説

正解は3です。

正常歩行では、骨盤は歩行周期において水平面で前後に回旋運動を行います。これは下肢の前進運動を助け、歩行効率を高める役割を果たします。

選択肢の解説

  1. 肩関節は同側の踵接地時に最大屈曲位となる。
    誤りです。 肩関節は踵接地時に反対側が最大屈曲位となります。同側は伸展位になります。腕の振りが歩行周期を調整します。
  2. 膝関節は踵接地直後に伸展する。
    誤りです。 膝関節は踵接地直後に軽度屈曲します。これは衝撃吸収の役割を果たします。
  3. 骨盤は水平面において回旋運動をする。
    正しい記述です。 骨盤は水平面での回旋運動により、遊脚側の下肢を前進させやすくし、歩行効率を向上させます。
  4. 骨盤は前額面において水平に保たれる。
    誤りです。 骨盤は歩行周期において若干の側方動揺を伴います。遊脚期では骨盤はやや傾斜します。
  5. 骨盤は遊脚側へ側方移動する。
    誤りです。 骨盤は立脚側へ安定を保つため側方移動します。これにより支持基底面が安定します。

ワンポイントアドバイス

正常歩行の特徴は、骨盤の水平面での回旋運動、膝の衝撃吸収のための屈曲、反対側の腕の振りによるバランスなどが挙げられます。歩行周期を「立脚期」と「遊脚期」に分けてそれぞれの動きを整理して覚えると理解が深まります。