運動時の生体反応で正しいのはどれか。
- 冠血流は低下する。
- 腎血流は増加する。
- グリコーゲン分解が促進される。
- 尿へのナトリウム排泄は促進される。
- 酸素含有量の動静脈酸素差は減少する。
解答解説
正解は3です。
運動時には、筋活動に必要なエネルギー供給を補うため、筋肉内のグリコーゲン分解が促進されます。これはエネルギー産生に必要なATP供給を維持するための代謝反応です。また、他の選択肢のような生体反応は運動時には一般的に起こりません。
各選択肢の解説
- 冠血流は低下する。
運動時には心拍数や心筋収縮力が増加するため、心臓の酸素需要が高まり、冠血流量も増加します。このため、冠血流が低下するという記述は誤りです。 - 腎血流は増加する。
運動時には、筋肉への血流供給を優先するため、腎血流量は減少します。腎臓や内臓への血流は抑制されるため、この記述は誤りです。 - グリコーゲン分解が促進される。
筋活動にはエネルギー供給が必要であり、運動時には筋肉や肝臓のグリコーゲンが分解され、グルコースが供給されます。この反応は運動時に必須であるため、正解です。 - 尿へのナトリウム排泄は促進される。
運動時には交感神経活動が活発になり、抗利尿ホルモン(ADH)の分泌が増加します。その結果、尿の生成が抑制されるため、ナトリウム排泄も低下します。この記述は誤りです。 - 酸素含有量の動静脈酸素差は減少する。
運動時には筋活動に伴い、筋肉が酸素を多く消費するため、動脈血と静脈血の酸素含有量の差(動静脈酸素差)は増加します。したがって、この記述は誤りです。
ワンポイントアドバイス
運動時の生体反応は、「エネルギー供給の促進」「筋肉への血流増加」「心肺機能の亢進」が主な特徴です。特に、グリコーゲン分解や動静脈酸素差の増加は重要なポイントであり、試験でも頻出です。運動生理学の基本的なメカニズムをしっかり押さえておきましょう。