第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題69

等張性運動について正しいのはどれか。

  1. 角速度は一定である。
  2. 等尺性運動に比べ血圧が上昇しやすい。
  3. 等尺性運動に比べ収縮時の筋血流が増加しやすい。
  4. 等尺性運動に比べ心拍数が増加しやすい。
  5. 負荷に抗して姿勢を維持するときに起こる。

解答解説

正解は3です。

等張性運動は筋の長さを変えながら収縮する運動であり、等尺性運動と比較して筋血流が増加しやすいです。これは収縮と弛緩を繰り返すため、筋の血流が遮断されにくいからです。一方、等尺性運動では筋が収縮したままで血流が圧迫され、増加しにくい特徴があります。

選択肢の解説

  1. 角速度は一定である。
    誤りです。 角速度が一定なのは「等速性運動」の特徴です。等張性運動では角速度は一定ではなく、負荷を動かす際に変化することがあります。
  2. 等尺性運動に比べ血圧が上昇しやすい。
    誤りです。 血圧は等尺性運動時の方が上昇しやすいです。これは筋が収縮したまま血管を圧迫し、全身血管抵抗が増加するためです。
  3. 等尺性運動に比べ収縮時の筋血流が増加しやすい。
    正しい記述です。 等張性運動では筋の収縮と弛緩が繰り返されるため、筋血流が増加しやすいです。等尺性運動では持続的な筋収縮により血流が遮断されます。
  4. 等尺性運動に比べ心拍数が増加しやすい。
    誤りです。 心拍数の増加は、等張性運動よりも等尺性運動の方が顕著です。等尺性運動では血圧が上昇し、それに応じて心拍数も上がりやすくなります。
  5. 負荷に抗して姿勢を維持するときに起こる。
    誤りです。 負荷に抗して姿勢を維持するのは「等尺性運動」の特徴です。等張性運動は筋の長さを変えながら力を発揮する運動です。

ワンポイントアドバイス

等張性運動と等尺性運動の違いを理解することが重要です。等張性運動は「筋長が変化しながら力を発揮」、等尺性運動は「筋長が一定のまま力を発揮」です。それぞれの特徴と血圧や血流への影響をセットで覚えると試験対策に役立ちます。