第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題38

超音波療法について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 周波数は深達度に影響しない。
  2. 成長期の小児の骨端線への照射は避ける。
  3. 水中の照射では温熱効果は期待できない。
  4. 骨セメントを使用している部位は照射を避ける。
  5. 空気中の照射では皮膚とプローブを約10 cm離す。

解答解説

正解は2. 成長期の小児の骨端線への照射は避ける4. 骨セメントを使用している部位は照射を避けるです。

解説

  1. 成長期の小児の骨端線への照射は避ける
    成長期の小児の骨端線(成長軟骨)は、発育過程で非常にデリケートな部分です。超音波照射による温熱や振動エネルギーが骨端線に影響を及ぼし、成長障害を引き起こすリスクがあるため、照射を避けることが重要です。
  2. 骨セメントを使用している部位は照射を避ける
    骨セメント(人工関節置換術などで使用される材料)は、超音波エネルギーによる温熱作用で過剰な熱を蓄積することがあります。このため、骨セメントを使用している部位への超音波照射は避けるべきです。

選択肢解説

  1. 周波数は深達度に影響しない
    周波数は深達度に大きく影響します。周波数が高いほど浅い層に、低いほど深い層に作用するため、この選択肢は誤りです。
  2. 水中の照射では温熱効果は期待できない
    水中照射でも温熱効果は期待できます。特に超音波は、水中でもエネルギーを伝達する性質があるため、この選択肢は誤りです。
  3. 空気中の照射では皮膚とプローブを約10 cm離す
    超音波療法では、プローブと皮膚の間を適切に密着させる必要があります。空気中ではエネルギーが伝わらず効果がないため、この選択肢は誤りです。

ワンポイントアドバイス

超音波療法の適応と禁忌については、成長期の小児、骨セメント部位、金属埋入部位、妊婦の腹部などへの使用に注意が必要です。また、周波数と深達度の関係も試験頻出ポイントのため、確実に理解しておきましょう。