摂食嚥下の際の運動で正しいのはどれか。
- 嚥下後の呼吸は吸気から再開される。
- 口腔内の食塊は反射運動で咽頭へ送られる。
- 嚥下反射が起こると舌骨は下方に移動する。
- 食塊の咽頭への送り込み時に口蓋帆張筋が緊張する。
- 食塊の食道への送り込み時に輪状咽頭筋が収縮する。
解答解説
正解は4です。
嚥下の際、食塊が咽頭に送り込まれるときに、口蓋帆張筋が緊張して口蓋帆が上方に引き上げられ、鼻咽腔を閉鎖します。これにより、食塊が鼻腔へ逆流するのを防ぎます。
選択肢の解説
- 嚥下後の呼吸は吸気から再開される。
誤りです。 嚥下後の呼吸は通常、呼気から再開されます。これは誤嚥を防ぐメカニズムの一環です。 - 口腔内の食塊は反射運動で咽頭へ送られる。
誤りです。 口腔内の食塊は舌の随意運動によって咽頭へ送られます。その後、嚥下反射が起こります。 - 嚥下反射が起こると舌骨は下方に移動する。
誤りです。 嚥下反射が起こると舌骨は上方かつ前方に移動し、喉頭が挙上されます。これにより、気道が閉鎖されます。 - 食塊の咽頭への送り込み時に口蓋帆張筋が緊張する。
正しい記述です。 口蓋帆張筋が緊張することで口蓋帆が上方に引き上げられ、鼻咽腔が閉鎖されます。この動作は食塊が鼻腔に逆流するのを防ぎます。 - 食塊の食道への送り込み時に輪状咽頭筋が収縮する。
誤りです。 食塊が食道へ送り込まれるとき、輪状咽頭筋(上部食道括約筋)は弛緩して食塊を通過させます。その後、収縮して食塊の逆流を防ぎます。
ワンポイントアドバイス
嚥下の各段階(口腔期、咽頭期、食道期)の運動を区別して覚えましょう。特に、口蓋帆張筋が鼻咽腔閉鎖を行うことや、輪状咽頭筋が弛緩するタイミングは試験で問われやすい重要ポイントです。