第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題67

副甲状腺ホルモンで正しいのはどれか。

  1. 骨吸収を促進する。
  2. 好酸性細胞で分泌される。
  3. リンの再吸収を促進する。
  4. 重炭酸イオンの再吸収を促進する。
  5. 遠位尿細管でのカルシウム再吸収を抑制する。

解答解説

正解は1です。

副甲状腺ホルモン(PTH)は骨吸収を促進し、血中カルシウム濃度を上昇させる働きがあります。これは骨細胞を介して破骨細胞を活性化し、骨からカルシウムを放出することによって行われます。

選択肢の解説

  1. 骨吸収を促進する。
    正しい記述です。 副甲状腺ホルモンは破骨細胞を間接的に活性化することで骨吸収を促進し、骨からカルシウムを血液中に放出します。
  2. 好酸性細胞で分泌される。
    誤りです。 副甲状腺ホルモンは副甲状腺の主細胞(chief cells)で分泌されます。好酸性細胞(oxyphil cells)はPTHを分泌しません。
  3. リンの再吸収を促進する。
    誤りです。 副甲状腺ホルモンは腎臓でリンの再吸収を抑制し、尿中への排泄を増加させます。一方で、カルシウムの再吸収は促進します。
  4. 重炭酸イオンの再吸収を促進する。
    誤りです。 副甲状腺ホルモンは重炭酸イオンの再吸収には直接関与しません。主にカルシウムとリンの代謝を調節します。
  5. 遠位尿細管でのカルシウム再吸収を抑制する。
    誤りです。 副甲状腺ホルモンは遠位尿細管でのカルシウム再吸収を促進し、血中カルシウム濃度を上昇させます。

ワンポイントアドバイス

副甲状腺ホルモン(PTH)の作用は、骨吸収の促進、腎臓でのカルシウム再吸収の促進、リン排泄の増加という3つの主要な働きがあります。特に、血中カルシウム濃度を上昇させる仕組みを理解することが試験対策に役立ちます。