4歳の男児。痙直型両麻痺。しばしば割り座で座る。バニーホッピングと交互性パターンの四つ這いを併用して移動する。PCW(postural control walker)を用いた歩行練習を実施している。この児に対する遊びの指導内容で最も適切なのはどれか。
解答解説
正解は3です。
選択肢3の活動は、机に向かい膝立ちでの姿勢保持を促進する遊びです。この姿勢は、痙直型両麻痺児の筋緊張の調整、体幹の安定性向上、股関節周囲の伸展を助け、歩行能力向上の準備として適しています。また、割り座による股関節や膝関節への影響を軽減する効果もあります。
各選択肢の解説
- 四つ這いの姿勢での遊びは移動性を高める効果がありますが、痙直型両麻痺児では筋緊張が高いため、割り座の改善や体幹の安定性向上に直結しにくい点があります。そのため本設問の意図には適合しません。
- 選択肢2の活動では、割り座に近い姿勢を使用するため、股関節や膝関節の内旋拘縮を助長する可能性があります。痙直型両麻痺児にとって不適切です。
- 膝立ちでの活動は、股関節伸展を促し、割り座の習慣を改善するのに役立ちます。また、体幹の安定性とバランス能力の向上が期待でき、歩行能力の準備段階として非常に効果的です。これが正解です。
- 選択肢4の活動では体幹の回旋が必要であり、上肢のリーチ動作を含むため、体幹機能の向上には役立つ可能性があります。ただし、膝立ちや股関節伸展を促進する効果は限定的です。
- スタンディングフレームを使用する活動は立位保持には有効ですが、遊びとしての動的な要素が少なく、能動的な筋活動や歩行の準備には効果が薄いと考えられます。
ワンポイントアドバイス
痙直型両麻痺児のリハビリでは、筋緊張の調整、体幹の安定性、股関節周囲の伸展を促す訓練が重要です。 膝立ち姿勢での遊びは、歩行準備段階で特に有用であり、割り座の改善にも効果的です。適切な姿勢を促進する活動を選択することが重要です。