排尿機構について正しいのはどれか。
- 排尿時には内尿道括約筋が収縮する。
- 膀胱に尿が溜まり始めるとすぐに尿意を感じる。
- 尿道を尿が通る知覚は排尿筋の収縮を抑制する。
- 膀胱括約筋はノルアドレナリンの作用で収縮する。
- 排尿を我慢するときには大脳皮質から抑制がかかる。
解答解説
正解は4と5です。
膀胱括約筋(内尿道括約筋)は交感神経(ノルアドレナリン)によって収縮し、尿が漏れないようにしています。また、排尿を我慢するときには大脳皮質が関与して抑制信号を出し、反射的な排尿を制御します。
選択肢の解説
- 排尿時には内尿道括約筋が収縮する。
誤りです。 排尿時には内尿道括約筋は弛緩し、尿の排出が可能になります。収縮は排尿を抑える際に起こります。 - 膀胱に尿が溜まり始めるとすぐに尿意を感じる。
誤りです。 尿意は一般的に膀胱内の尿量が約150~300mLに達した時点で感じ始めます。それ以前では尿意を感じないことが多いです。 - 尿道を尿が通る知覚は排尿筋の収縮を抑制する。
誤りです。 尿道を尿が通る知覚は排尿筋(膀胱平滑筋)の収縮を促進し、排尿を進める役割を果たします。 - 膀胱括約筋はノルアドレナリンの作用で収縮する。
正しい記述です。 膀胱括約筋(内尿道括約筋)は交感神経(ノルアドレナリン)によって収縮し、尿の漏れを防ぎます。 - 排尿を我慢するときには大脳皮質から抑制がかかる。
正しい記述です。 排尿を我慢する際には、大脳皮質が仙髄排尿中枢を抑制し、自律的な排尿反射を制御します。この制御が排尿の意志的なコントロールを可能にしています。
ワンポイントアドバイス
排尿機構は交感神経、副交感神経、体性神経の協調によって制御されています。交感神経は蓄尿、副交感神経は排尿を促進します。特に膀胱括約筋の交感神経支配と、大脳皮質の意志的な排尿抑制の役割を覚えておくことが重要です。