第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題60

細胞内小器官の働きで正しいのはどれか。

  1. 滑面小胞体はATPを合成する。
  2. Golgi装置はタンパク質を修飾する。
  3. ミトコンドリアはグリコーゲンを分解する。
  4. ライソソームはタンパク質を合成する。
  5. リボソームは細胞内の物質を分解する。

解答解説

正解は2です。

Golgi装置はタンパク質の修飾や加工、さらに細胞外へ輸送する役割を担っています。これはタンパク質が完成される最終工程で重要な働きです。他の選択肢にある小器官の機能は誤っています。

選択肢の解説

  1. 滑面小胞体はATPを合成する。
    誤りです。 滑面小胞体はATPを合成しません。その役割は脂質やステロイドホルモンの合成、およびカルシウムイオンの貯蔵などです。ATP合成はミトコンドリアが担います。
  2. Golgi装置はタンパク質を修飾する。
    正しい記述です。 Golgi装置は小胞体で合成されたタンパク質を糖鎖付加やリン酸化などによって修飾し、完成させて細胞内外へ輸送します。
  3. ミトコンドリアはグリコーゲンを分解する。
    誤りです。 ミトコンドリアはATPの産生(細胞呼吸)を行う小器官であり、グリコーゲンの分解は細胞質内で行われます。
  4. ライソソームはタンパク質を合成する。
    誤りです。 ライソソームは加水分解酵素を含み、不要な細胞内物質を分解します。タンパク質の合成はリボソームの役割です。
  5. リボソームは細胞内の物質を分解する。
    誤りです。 リボソームはタンパク質合成を行う小器官であり、物質を分解する役割はありません。分解を担うのはライソソームです。

ワンポイントアドバイス

細胞内小器官の機能は基礎知識として非常に重要です。特に、Golgi装置(修飾と輸送)、ミトコンドリア(ATP産生)、リボソーム(タンパク質合成)、ライソソーム(分解)の役割を明確に理解しておきましょう。これにより混同を防ぐことができます。