第53回

第53回理学療法士国家試験 午後問題25

関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動方向と測定肢位の組合せで正しいのはどれか。

  1. 肩屈曲 ―――― 前腕回外位
  2. 股内旋 ―――― 膝関節伸展位
  3. 股外転 ―――― 股関節伸展位
  4. 膝屈曲 ―――― 股関節伸展位
  5. 足底屈 ―――― 膝関節伸展位

解答解説

正解は3. 股外転 ―――― 股関節伸展位です。

解説

関節可動域測定法は、日本整形外科学会や日本リハビリテーション医学会が定める基準に基づいて測定されます。股外転の可動域は、股関節伸展位で測定するのが正しい手法です。以下、それぞれの組み合わせについて解説します。

  1. 肩屈曲 ―――― 前腕回外位
    肩屈曲は肩関節の運動であり、前腕の回外位との関連はありません。誤りです。
  2. 股内旋 ―――― 膝関節伸展位
    股内旋の測定は、通常は股関節屈曲位で行います。膝関節伸展位は不適切です。
  3. 股外転 ―――― 股関節伸展位
    股外転の測定では、股関節を伸展位に置くのが基準とされています。正解です。
  4. 膝屈曲 ―――― 股関節伸展位
    膝屈曲は、通常は股関節屈曲位で測定します。股関節伸展位は不適切です。
  5. 足底屈 ―――― 膝関節伸展位
    足底屈の測定では、膝関節を軽度屈曲位に置くのが適切です。膝関節伸展位では腓腹筋が過緊張を起こし、正確な測定ができません。誤りです。

ワンポイントアドバイス

関節可動域測定では、測定する関節と周囲の状態に適した肢位が設定されています。特に股関節や膝関節の測定では、正しい肢位を確実に理解しておくことが重要です。試験では「基本軸」と「移動軸」の位置も合わせて覚えておくとさらに有利です。