4歳の男児。脊柱管狭窄症による脊髄髄膜瘤の術後、立位の様子を図に示す。車いすを使えば移動が可能である。予測される機能残存レベルの上限で正しいのはどれか。
- L2
- L3
- L4
- L5
- S1
解答解説
正解は3. L4です。
解説
脊髄髄膜瘤の術後の残存機能を評価する際、患児の立位姿勢や補装具の使用状況が重要な指標となります。立位図では、以下の特徴が確認できます。
- 膝を伸ばして立位保持が可能:大腿四頭筋(L3-L4支配)の機能が残存していることを示します。
- 足首に装具を装着:足関節を安定させるために装具が必要であり、足関節背屈筋群(L4支配)が十分な機能を発揮できていない可能性を示唆します。
このため、L4レベルが機能残存の上限であると判断できます。
各選択肢の解説
- L2
L2レベルの機能が残存している場合、大腿直筋や大腿四頭筋の機能は期待できず、立位保持は困難です。よって誤りです。 - L3
L3レベルでは大腿四頭筋が部分的に機能するため、立位保持が可能ですが、装具の使用状況からL4機能も残存していると考えられるため誤りです。 - L4
L4レベルでは大腿四頭筋が完全に機能し、膝関節を伸展して立位保持が可能です。本問の患児の状況に一致するため、これが正解です。 - L5
L5レベルでは下腿三頭筋や大腿後部筋群が十分に機能するため、装具なしでの立位や歩行が可能となります。本症例では装具を必要としているため該当しません。 - S1
S1レベルでは足関節底屈が機能し、さらに高度な歩行能力が期待できます。本問では足関節の安定のための装具が必要なため該当しません。
ワンポイントアドバイス
脊髄髄膜瘤の術後機能評価では、運動機能と感覚レベルの評価が重要です。また、補装具の使用状況や歩行能力を基に残存機能レベルを予測します。各脊髄レベルに対応する筋機能を覚えておくと、実技試験や臨床実習でも役立ちます。