第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題52

運動軸が2つの関節はどれか。

  1. 手指PIP関節
  2. 橈骨手根関節
  3. 膝関節
  4. 上橈尺関節
  5. 肩甲上腕関節

解答解説

正解は2です。

解説

運動軸(関節の運動が起こる回転の軸)が2つ存在する関節を特定する問題です。それぞれの選択肢について解説します。

  1. 手指PIP関節
    誤りです。
    手指のPIP(近位指節間)関節は蝶番関節(ヒンジ関節)であり、1つの運動軸(屈曲・伸展)を持ちます。
  2. 橈骨手根関節
    正しいです。
    橈骨手根関節は楕円関節であり、屈曲・伸展、撓屈・尺屈の2つの運動軸を持つ関節です。手首の多様な動きを可能にしています。
  3. 膝関節
    誤りです。
    膝関節は主に蝶番関節としての性質を持ち、基本的には1軸性の関節(屈曲・伸展)と考えられます。ただし、わずかな回旋運動が起こるため、1軸性に限定されない特性もありますが、問題文の趣旨から外れます。
  4. 上橈尺関節
    誤りです。
    上橈尺関節は回旋運動を主とする1軸性の関節です(回内・回外運動)。
  5. 肩甲上腕関節
    誤りです。
    肩甲上腕関節は多軸性関節(屈曲・伸展、外転・内転、内旋・外旋)であり、運動軸は2つ以上となります。

ワンポイントアドバイス

関節の運動軸を理解するには、その構造(蝶番関節、球関節、楕円関節など)を知ることが大切です。特に多軸性関節(肩関節)と2軸性関節(橈骨手根関節や顎関節)を正確に区別することが、国家試験対策として重要です。