第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題51

骨について正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 長骨の骨幹には髄腔がある。
  2. 骨には緻密骨と海綿骨がある。
  3. 骨芽細胞は骨吸収に関与している。
  4. 骨の関節面は滑膜で覆われている。
  5. 骨膜は骨の長軸方向の成長に関わる。

解答解説

正解は1と2です。

解説

骨の構造に関する基本的な知識を問う問題です。以下で各選択肢を詳しく解説します。

  1. 長骨の骨幹には髄腔がある。
    正しいです。
    長骨(例:大腿骨、上腕骨)の骨幹中央部分には、骨髄が含まれる「髄腔」があります。この空洞には造血を行う骨髄や脂肪組織が存在します。
  2. 骨には緻密骨と海綿骨がある。
    正しいです。
    骨は「緻密骨」と「海綿骨」の2種類から構成されます。緻密骨は骨の外層を形成し、非常に密な構造で強度を担います。一方、海綿骨は骨の内層にあり、多孔質で軽量化や衝撃吸収の役割を果たします。
  3. 骨芽細胞は骨吸収に関与している。
    誤りです。
    骨芽細胞は骨形成を担う細胞であり、骨を新たに作る役割を果たします。骨吸収は「破骨細胞」が担います。
  4. 骨の関節面は滑膜で覆われている。
    誤りです。
    関節面は滑膜ではなく、滑らかな「関節軟骨(硝子軟骨)」で覆われています。滑膜は関節腔を囲む膜で、関節液を分泌します。
  5. 骨膜は骨の長軸方向の成長に関わる。
    誤りです。
    骨膜は骨の太さ方向の成長(肥厚)に関与します。長軸方向の成長は骨端部に存在する「骨端軟骨(成長板)」によって行われます。

ワンポイントアドバイス

骨に関する問題では、「緻密骨」「海綿骨」「骨膜」「骨端軟骨」など基本的な解剖用語を正確に理解することが重要です。また、骨芽細胞(骨形成)と破骨細胞(骨吸収)の違いを区別することで、骨代謝の問題にも対応できるようになります。