重症筋無力症のクリーゼについて誤っているのはどれか。
- 嚥下障害を認める。
- 咳嗽機能が低下する。
- 閉塞性換気障害をきたす。
- 発症率は20%以上である。
- ステロイドの急激な減量が原因となる。
解答解説
正解は3. 閉塞性換気障害をきたすです。
解説
重症筋無力症のクリーゼでは、呼吸筋の筋力低下が起こるために拘束性換気障害が生じます。一方、閉塞性換気障害は気道閉塞などによる呼吸障害で、クリーゼには見られません。
各選択肢の解説:
- 嚥下障害を認める
クリーゼでは咽頭や舌の筋力が低下し、嚥下障害が頻繁に起こります。正しい記述です。 - 咳嗽機能が低下する
咳嗽反射を担う筋肉の低下によって咳嗽機能が低下します。これにより気道分泌物が排出されにくくなるため、呼吸管理が必要となります。正しい記述です。 - 閉塞性換気障害をきたす
誤りです。重症筋無力症のクリーゼでは、筋力低下によって拘束性換気障害が起こります。 - 発症率は20%以上である
クリーゼは重症筋無力症患者の約15~20%で生じるとされています。正しい記述です。 - ステロイドの急激な減量が原因となる
クリーゼの原因の一つにステロイドの急激な減量が含まれます。他にも感染症や過労が誘因となることがあります。正しい記述です。
ワンポイントアドバイス
重症筋無力症のクリーゼでは、拘束性換気障害により人工呼吸器管理が必要になる場合があります。問題文で「閉塞性換気障害」と誤りやすいポイントに注意し、原因や特徴(ステロイドの急激な減量や感染症など)も確認しておきましょう。