GMFCS レベルⅡの痙直型脳性麻痺児に対する運動指導で最も適しているのはどれか。
- 車椅子の駆動練習
- 割り座での座位練習
- 歩行補助具なしでの歩行練習
- バニーホッピングによる四つ這い移動練習
- スタンディングボードを用いての立位練習
解答解説
正解は3. 歩行補助具なしでの歩行練習です。
解説
GMFCS(Gross Motor Function Classification System)は脳性麻痺児の運動機能レベルを分類するシステムで、レベルⅡは歩行可能だが不安定さがあり、時には補助具が必要となるレベルです。このため、補助具なしでの歩行練習を通じて安定した歩行能力を目指す指導が適切です。
各選択肢の解説:
- 車椅子の駆動練習
GMFCSレベルⅡの子どもは基本的に歩行が可能であり、車椅子の利用は主に長距離移動時や疲労時に限定されます。日常的な車椅子使用の訓練はレベルⅡの適切な指導ではありません。 - 割り座での座位練習
割り座は骨盤後傾や股関節の内旋を助長する可能性があり、適切な座位姿勢の獲得には適しません。また、レベルⅡの子どもには歩行練習がより優先されます。 - 歩行補助具なしでの歩行練習
正解です。補助具なしでの歩行練習はレベルⅡの子どもにとって現実的な課題であり、バランス能力や筋力を向上させるために有効です。 - バニーホッピングによる四つ這い移動練習
四つ這い移動はGMFCSレベルⅡの子どもには発達段階として遅れた課題であり、歩行練習を優先すべきです。 - スタンディングボードを用いての立位練習
スタンディングボードはGMFCSレベルⅣやⅤなど、立位保持が困難なレベルで使用される補助具です。レベルⅡの子どもには不要です。
ワンポイントアドバイス
GMFCSレベルⅡの子どもは、歩行が可能だが環境や疲労によって制限を受けることが特徴です。歩行能力向上のためには、補助具を外した状態での練習が重要ですが、過度な負担をかけず、安全に配慮した指導を心がけましょう。