重度の片麻痺を生じた脳梗塞患者に対する急性期の理学療法で正しいのはどれか。
- 立位練習には装具を用いない。
- 非麻痺側の筋力増強運動は行わない。
- 神経症状の増悪がなければ離床練習を開始する。
- 深部静脈血栓症の予防目的で弾性ストッキングは使用しない。
- 安静時に収縮期血圧が140mmHgを超えている場合は実施しない。
解答解説
正解は3. 神経症状の増悪がなければ離床練習を開始するです。
解説
急性期の脳梗塞患者では、早期離床と適切な理学療法が重要です。ただし、神経症状が増悪している場合や全身状態が不安定な場合は無理に離床を行いません。
各選択肢の解説:
- 立位練習には装具を用いない
急性期であっても、必要に応じて装具を使用して安全に立位練習を行います。装具を用いないという記述は不適切です。 - 非麻痺側の筋力増強運動は行わない
非麻痺側の筋力を保つことは機能回復に重要です。急性期でも適切な範囲で筋力増強運動を行います。 - 神経症状の増悪がなければ離床練習を開始する
適切なタイミングで離床練習を開始することは、早期回復と廃用症候群の予防に役立ちます。記述通り正しい内容です。 - 深部静脈血栓症の予防目的で弾性ストッキングは使用しない
深部静脈血栓症の予防として弾性ストッキングの使用は推奨されるため、この記述は誤りです。 - 安静時に収縮期血圧が140mmHgを超えている場合は実施しない
収縮期血圧が140mmHgを超えていても、急性期では一般的に慎重に理学療法を進めます。この記述は極端で誤りです。
ワンポイントアドバイス
脳梗塞の急性期理学療法では、神経症状の増悪を回避しつつ、早期の離床を目指します。また、廃用症候群や深部静脈血栓症を予防するため、全身状態を観察しながら適切な運動を行うことが重要です。