脊髄小脳変性症の患者で、歩行可能であるが伝い歩きが主であり、方向転換時に不安定となってしまう場合の歩行補助具として適切なのはどれか。
- T字杖
- 歩行車
- 交互型歩行器
- ウォーカーケイン
- ロフストランド杖
解答解説
正解は2(歩行車)です。
解説
脊髄小脳変性症は、小脳やその関連する神経経路の障害によって運動失調が生じ、歩行や方向転換時に不安定さが目立ちます。このような場合、患者にとって安定性を補助するための適切な歩行補助具が必要です。
- 歩行車(正解)
歩行車は安定性が高く、身体全体を支える補助具として適しています。特に方向転換時にも四輪の安定性が有効です。
その他の選択肢:
- T字杖
片側支持型であり、重心移動の補助には向きますが、安定性が十分ではなく、転倒リスクが高まるため不適切です。 - 交互型歩行器
歩行器の一種で、前後に動かしながら使用しますが、方向転換時に使いにくいため不適切です。 - ウォーカーケイン
4点支持の杖ですが、全面的な安定性を補助する機能には限界があり、脊髄小脳変性症には適していません。 - ロフストランド杖
前腕支持型の杖で、部分的な歩行補助には有効ですが、全体的な安定性が求められるこの場合には不適切です。
ワンポイントアドバイス
歩行補助具を選択する際は、「安定性」「患者の身体状態」「環境」の3点を重視してください。特に脊髄小脳変性症などの運動失調を伴う疾患では、安定性を第一に考える必要があります。歩行車は安定性が高いだけでなく、方向転換時にも便利な補助具です。