第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題65

胆汁について正しいのはどれか。

  1. 脂肪の吸収を抑制する。
  2. 消化酵素が含まれる。
  3. 食物の摂取によって分泌が増加する。
  4. 胆汁酸塩の大部分は大腸で再吸収される。
  5. 胆嚢で産生される。

解答解説

正解は3です。

胆汁は肝臓で産生され、胆嚢で一時的に貯蔵されます。食物の摂取、とくに脂肪が消化管に入ると、胆嚢から胆汁が分泌され、その量が増加します。胆汁は脂肪の乳化を助ける重要な役割を果たします。

選択肢の解説

  1. 脂肪の吸収を抑制する。
    誤りです。 胆汁は脂肪の乳化を助けることで脂肪の吸収を促進します。吸収を抑制する働きはありません。
  2. 消化酵素が含まれる。
    誤りです。 胆汁には消化酵素は含まれていません。胆汁酸塩や胆汁色素(ビリルビンなど)、コレステロールなどが含まれています。
  3. 食物の摂取によって分泌が増加する。
    正しい記述です。 食物が特に十二指腸に入ると、胆嚢収縮ホルモン(コレシストキニン)の作用で胆嚢から胆汁が分泌されます。
  4. 胆汁酸塩の大部分は大腸で再吸収される。
    誤りです。 胆汁酸塩の大部分は小腸(主に回腸)で再吸収され、腸肝循環を通じて再利用されます。
  5. 胆嚢で産生される。
    誤りです。 胆汁は肝臓で産生されます。胆嚢は胆汁を貯蔵し、濃縮する役割を果たしますが、産生はしません。

ワンポイントアドバイス

胆汁の主な役割は、脂肪の乳化と消化吸収の補助です。肝臓で産生、胆嚢で貯蔵、小腸で再吸収(腸肝循環)という流れをしっかり覚えましょう。特に、胆汁酸塩が小腸で再吸収される点は試験でよく問われるポイントです。