平衡機能障害において、後索性や小脳性に比べ前庭性に最も関連する異常はどれか。
- 眼振
- 構音障害
- 深部感覚障害
- 耳鳴り
- Romberg試験陽性
解答解説
正解は4. 耳鳴りです。
解説
平衡機能障害は、前庭系、後索路、小脳などが原因で生じることがあります。それぞれの障害の特徴を理解することで鑑別が可能です。耳鳴りは前庭性障害に特有の症状の一つで、特に内耳や前庭神経の病変に伴います。
前庭性障害の主な症状
- 耳鳴りや難聴(内耳性の場合)
- 回転性めまい
- 眼振(末梢性では一方向性)
- Romberg試験陽性(重度の場合)
各選択肢の解説
- 眼振
前庭性でも小脳性でも見られる所見であり、特異性は低いです。
→ 不適切 - 構音障害
小脳性障害や脳幹障害で見られることが多く、前庭性障害には関連が薄いです。
→ 不適切 - 深部感覚障害
深部感覚障害は後索路障害(脊髄後索や内側毛帯)に関連します。振動覚や位置覚が低下し、Romberg試験で陽性となることがありますが、前庭性ではありません。
→ 不適切 - 耳鳴り
耳鳴りは内耳や前庭神経の障害で典型的に見られる症状で、前庭性障害を示唆します。
→ 正解 - Romberg試験陽性
Romberg試験陽性は後索障害や小脳性障害でも見られるため、特異性が低いです。
→ 不適切
ワンポイントアドバイス
前庭系の障害(特に末梢性)では、耳鳴りや難聴が伴うことが特徴です。一方、小脳性障害では構音障害や運動失調、後索性障害では深部感覚障害が中心となるため、症状の鑑別が重要です。