第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題56

腋窩神経で正しいのはどれか。

  1. 三角筋を支配する。
  2. 広背筋を支配する。
  3. 後骨間神経を分枝する。
  4. 上腕内側の皮膚感覚を支配する。
  5. 腕神経叢の外側神経束から分枝する。

解答解説

正解は「1」です。

腋窩神経(axillary nerve)は、主に三角筋小円筋を支配する運動神経です。また、腋窩神経は上腕外側の皮膚感覚(上外側上腕皮神経)も支配します。腋窩神経は腕神経叢の後神経束から分枝し、肩関節の外旋や外転に重要な役割を果たします。

選択肢ごとの解説

  1. 三角筋を支配する。
    正解です。 腋窩神経は三角筋を支配し、肩関節の外転や水平外転に重要な役割を果たします。
  2. 広背筋を支配する。
    誤りです。広背筋を支配するのは胸背神経(thoracodorsal nerve)です。
  3. 後骨間神経を分枝する。
    誤りです。後骨間神経は橈骨神経(radial nerve)の分枝であり、腋窩神経とは関係ありません。
  4. 上腕内側の皮膚感覚を支配する。
    誤りです。上腕内側の皮膚感覚は内側上腕皮神経(medial brachial cutaneous nerve)が支配します。腋窩神経は上腕外側上部の感覚を支配します。
  5. 腕神経叢の外側神経束から分枝する。
    誤りです。腋窩神経は腕神経叢の後神経束(posterior cord)から分枝します。外側神経束から分枝するのは筋皮神経や外側胸筋神経などです。

ワンポイントアドバイス

腋窩神経は三角筋、小円筋を支配し、上腕外側の感覚にも関与します。腕神経叢の神経束(後・外・内)の分枝を整理して覚えておくと、類似問題に対応しやすくなります。特に腋窩神経が肩関節外転や感覚に与える影響を理解することが試験対策に有効です。