第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題61

伸張反射で正しいのはどれか。

  1. 侵害受容反射である
  2. 多シナプス反射である
  3. 求心性線維は Ia 群線維である
  4. α運動線維は筋紡錘内の錘内線維を支配する
  5. γ運動線維は伸張された筋の拮抗筋を支配する

解答解説

正解は 3. 求心性線維は Ia 群線維である です。

伸張反射(いわゆる膝蓋腱反射など)は、筋が急に伸ばされたときに、それに応じて筋が収縮する反射です。この反射では、筋紡錘からの感覚情報が求心性線維であるIa群線維を通じて脊髄に伝えられ、α運動ニューロンが単シナプスで興奮して筋収縮が起こります。

各選択肢の解説

  1. 侵害受容反射である
    伸張反射は、筋紡錘を介した非侵害的な反射であり、侵害受容反射(痛み刺激に対する反射)とは異なります。侵害受容反射には多シナプス反射が含まれることが多く、伸張反射とは機構が異なります。
  2. 多シナプス反射である
    伸張反射は単シナプス反射です。筋紡錘からのIa群線維が脊髄内で直接α運動ニューロンとシナプスを形成するため、他の介在ニューロンを介さない単シナプス反射です。
  3. 求心性線維は Ia 群線維である(正解)
    伸張反射において、筋紡錘からの求心性線維としてIa群線維が使用されます。Ia群線維は筋の長さの変化を素早く伝達し、迅速な反射応答を可能にします。
  4. α運動線維は筋紡錘内の錘内線維を支配する
    α運動ニューロンは錘外筋線維(骨格筋の主な収縮部分)を支配し、運動機能に関与します。錘内筋線維(筋紡錘内)は主にγ運動ニューロンが支配します。
  5. γ運動線維は伸張された筋の拮抗筋を支配する
    γ運動ニューロンは筋紡錘の錘内筋線維を支配し、筋紡錘の感度調整に関与しますが、拮抗筋を支配するわけではありません。

ワンポイントアドバイス

伸張反射のメカニズムとして、単シナプス反射である点と、Ia群線維が求心性線維として機能する点が重要です。また、α運動ニューロンとγ運動ニューロンの役割の違いについても整理して覚えておきましょう。