第53回

第53回理学療法士国家試験 午前問題24

腹臥位と比較した場合の背臥位の特徴について正しいのはどれか。

  1. 褥瘡が生じやすい。
  2. 上気道が狭窄しにくい。
  3. 機能的残気量が減少しやすい。
  4. 動脈酸素分圧が低下しにくい。
  5. 後肺底区の換気が改善しやすい。

解答解説

正解は1. 褥瘡が生じやすい。です。

解説

背臥位(仰向けの体位)は長時間同じ姿勢を保つと、特に仙骨部や踵部、肩甲骨部などで褥瘡が発生しやすくなります。腹臥位(うつ伏せ)は広い接地面に圧が分散されるため、褥瘡リスクが低いです。

各選択肢の評価

  1. 褥瘡が生じやすい。
    背臥位では特定の部位に圧力が集中しやすく、血流が滞るため褥瘡のリスクが高まります。正解です。
  2. 上気道が狭窄しにくい。
    背臥位では舌根の沈下により上気道が狭窄しやすく、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まることもあります。不適切です。
  3. 機能的残気量が減少しやすい。
    背臥位では、腹臥位と比較して機能的残気量(FRC)が減少しやすいことが知られています。不適切です。
  4. 動脈酸素分圧が低下しにくい。
    背臥位では肺の換気が不均等になり、動脈酸素分圧が低下しやすい傾向があります。不適切です。
  5. 後肺底区の換気が改善しやすい。
    背臥位では重力の影響で後肺底区の換気は不利になります。腹臥位で改善しやすいです。不適切です。

ワンポイントアドバイス

褥瘡予防には定期的な体位変換が必要です。また、背臥位・腹臥位それぞれの特性を理解し、患者の病態に応じた適切な体位管理を行うことが重要です。試験では、体位による肺機能や血流への影響もよく問われるため、関連知識を深めておきましょう。