19.生後4か月の乳児。触診で股関節の異常を指摘された。来院時に右股関節の開排制限を認めたため、股関節のエックス線単純検査を行った。白蓮角はどれか。
- a
- b
- c
- d
- e
解答解説
正解は5. eです。
解説
白蓮角(ハルデン角)は股関節の異常を評価するために用いられる角度の一つで、大腿骨頭の位置や寛骨臼の形成を確認するために測定します。図の中でeが白蓮角の描写に該当します。
各選択肢の評価
- a
大腿骨頭の位置を示す線や角度ではありません。不正解です。 - b
股関節の開排や屈曲角度を示す図に見えますが、白蓮角ではありません。不正解です。 - c
大腿骨軸に関連する角度に見えますが、白蓮角ではありません。不正解です。 - d
股関節の他の角度を示している可能性はありますが、白蓮角を直接示すものではありません。不正解です。 - e
寛骨臼の形状を反映した白蓮角を示しています。正解です。
ワンポイントアドバイス
白蓮角の測定は、先天性股関節脱臼や股関節形成不全の診断に重要です。この角度が正常範囲を逸脱している場合は、適切なリハビリテーションや治療を検討する必要があります。白蓮角の基準値をしっかり把握しておきましょう。
20.この患児の股関節のエックス線単純写真(別冊No.4)を別に示す。行うべき対応として適切なのはどれか。
- 牽引療法
- ギプス固定
- 観血的整復術
- オーバーヘッド牽引
- リーメンビューゲル装具
解答解説
正解は5. リーメンビューゲル装具です。
解説
提示されたエックス線写真から、乳児期特有の先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)の可能性が考えられます。この疾患では、乳児期早期に適切な整復位を保つことで、関節の正常な発育を促すことが重要です。リーメンビューゲル装具は、股関節を外転・屈曲位に保つために用いられる治療法で、非観血的に整復を促す初期対応として適しています。
各選択肢の評価
- 牽引療法
牽引療法は、骨折の整復などで用いられますが、乳児の股関節形成不全の初期対応としては適切ではありません。不正解です。 - ギプス固定
ギプス固定は、整復後の固定として使われる場合がありますが、乳児への初期治療としては推奨されません。不正解です。 - 観血的整復術
観血的整復術は非観血的治療が無効であった場合に検討されますが、初期対応としては適しません。不正解です。 - オーバーヘッド牽引
オーバーヘッド牽引は股関節疾患の一部で用いることがありますが、乳児への初期治療としては通常選択されません。不正解です。 - リーメンビューゲル装具
非観血的な整復を目的として広く使用されている装具で、初期治療として非常に適切です。正解です。
ワンポイントアドバイス
先天性股関節脱臼や発育性股関節形成不全では、早期の診断と治療が関節の正常発育において重要です。リーメンビューゲル装具やパブリックハーネスなど、非観血的な方法の特徴を押さえ、対応方法を明確に覚えておきましょう。