21歳の女性。バレーボールで着地時に足関節を捻った。検査法を図に示す。この検査で予測される靭帯損傷として正しいのはどれか。
- 三角靭帯損傷
- 脛腓靭帯損傷
- 前距腓靭帯損傷
- 前脛腓靭帯損傷
- 二分靭帯損傷
解答解説
正解は3. 前距腓靭帯損傷です。
解説
図で示された検査は足関節前方引き出しテスト(Anterior Drawer Test)であり、これは足関節の前方不安定性を評価するものです。このテストは主に前距腓靭帯の損傷を評価します。負荷を加えると足部が過剰に前方へ移動する場合、前距腓靭帯損傷が疑われます。
前距腓靭帯損傷は、足関節の捻挫で最も頻繁に損傷される靭帯で、足部が内反した際に発生することが多いです。バレーボールの着地時などに起こることがよくあります。
各選択肢の解説
- 三角靭帯損傷
三角靭帯は内側に位置する強固な靭帯で、外反捻挫で損傷されますが、前方引き出しテストでは検出されません。 - 脛腓靭帯損傷
脛腓靭帯は足関節の安定性に重要ですが、高エネルギーの外力や足関節の強い外旋ストレスで損傷されます。このテストでは直接関与しません。 - 前距腓靭帯損傷
足関節前方引き出しテストで検出される靭帯で、内反捻挫で最も損傷されやすい靭帯です。これが正解です。 - 前脛腓靭帯損傷
脛腓靭帯間をつなぐ靭帯で、高エネルギー外傷で損傷されますが、通常は内反捻挫では損傷されません。このテストにも関与しません。 - 二分靭帯損傷
二分靭帯は足部外側のリスフラン関節を安定させる靭帯で、損傷は稀であり、捻挫では関与しません。このテストで検出されることもありません。
ワンポイントアドバイス
足関節捻挫の評価では、前方引き出しテストと内反ストレステストが重要です。前距腓靭帯損傷は捻挫の中で最も頻度が高い靭帯損傷であるため、臨床での理解が不可欠です。また、外側靭帯損傷の特徴と検査法をしっかり区別して覚えましょう。