広範囲Ⅲ度熱傷の受傷後12時間以内に生じやすいのはどれか。
- 集中治療室獲得性筋力低下〈ICU-AW〉
- 骨化性筋炎
- 肥厚性瘢痕
- 関節拘縮
- 浮腫
解答解説
正解は5. 浮腫です。
広範囲Ⅲ度熱傷では、皮膚バリアの喪失により体液が漏出しやすく、受傷後早期に浮腫が生じます。他の選択肢に挙げられている症状は、長期的な経過の中で発生することが多いです。
各選択肢の解説
- 集中治療室獲得性筋力低下〈ICU-AW〉
この選択肢は誤りです。
ICU-AWは長期入院に伴い発生する筋力低下で、受傷後12時間以内に生じることはありません。 - 骨化性筋炎
この選択肢は誤りです。
骨化性筋炎は、受傷後数週間から数か月経過して発症することが一般的です。 - 肥厚性瘢痕
この選択肢は誤りです。
肥厚性瘢痕は、創傷治癒の過程で生じ、数か月から数年後にみられる症状です。 - 関節拘縮
この選択肢は誤りです。
関節拘縮は、創傷治癒や瘢痕組織の形成後に起こるため、受傷直後には生じません。 - 浮腫
この選択肢が正解です。
浮腫は、受傷後の急性期に体液漏出によって発生しやすい症状です。
ワンポイントアドバイス
熱傷の急性期には、体液漏出や感染リスクが高まります。浮腫やショック状態の管理が最優先されるため、受傷直後から適切な輸液や創傷管理が必要です。時間経過による症状の変化を把握し、対応を段階的に考えることが重要です。