健常成人の血圧で正しいのはどれか。
- Korotkoff 音が聞こえなくなった時点での圧を収縮期血圧とする。
- 触診法では聴診法に比べて収縮期血圧が高く測定される。
- 平均血圧は拡張期血圧に脈圧の 1/3 を加えて求める。
- 足関節上腕血圧比の基準値は 0.75~0.9 である。
- 収縮期血圧は朝より夕方の方が低くなる。
解答解説
正解は3. 平均血圧は拡張期血圧に脈圧の 1/3 を加えて求めるです。
平均血圧(MAP: Mean Arterial Pressure)は、拡張期血圧 + 脈圧(収縮期血圧 – 拡張期血圧)の1/3で算出されます。これは心拍周期における拡張期が占める割合が長いことに基づいています。他の選択肢は血圧測定に関する誤りを含みます。
各選択肢の解説
- Korotkoff音が聞こえなくなった時点での圧を収縮期血圧とする
この選択肢は誤りです。
Korotkoff音が聞こえなくなる時点は拡張期血圧を示し、収縮期血圧は音が初めて聞こえる時点で測定します。 - 触診法では聴診法に比べて収縮期血圧が高く測定される
この選択肢は誤りです。
触診法は聴診法よりも低い値が得られることが一般的です。 - 平均血圧は拡張期血圧に脈圧の1/3を加えて求める
この選択肢が正解です。
平均血圧の公式は正確であり、正しい記述です。 - 足関節上腕血圧比の基準値は0.75~0.9である
この選択肢は誤りです。
足関節上腕血圧比(ABI)の基準値は通常0.9~1.3とされています。 - 収縮期血圧は朝より夕方の方が低くなる
この選択肢は誤りです。
健常成人では、一般的に朝方の収縮期血圧が夕方よりも高くなる傾向があります。
ワンポイントアドバイス
血圧測定の基本を理解することは臨床で重要です。平均血圧やABIの基準値、Korotkoff音を利用した測定手順を正確に覚えておくと、実践的な対応に役立ちます。また、朝と夕方の血圧変化についても理解しておくと、臨床での指導や試験対策に応用できます。