18 歳の男子。野球肘の診断で理学療法を行うこととなった。上肢の関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動と測定肢位の組合せで正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 肩屈曲・伸展 – 前腕回外位
- 肩外旋・内旋 – 前腕回内位
- 肘屈曲・伸展 – 前腕回外位
- 前腕回内・回外 – 肘 90 度屈曲位
- 手屈曲・伸展 – 前腕回内位
解答解説
正解は3. 肘屈曲・伸展 – 前腕回外位と4. 前腕回内・回外 – 肘 90 度屈曲位です。
日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会が定める関節可動域測定法において、以下のような基準が定められています。
正解の選択肢について、測定肢位が基準に準拠している点を確認します。
各選択肢の解説
- 肩屈曲・伸展 – 前腕回外位
この選択肢は誤りです。
肩関節屈曲・伸展の測定では、前腕の回外位は必須ではありません。肩屈曲・伸展は、体幹に対して安定した中間位で測定するため、この記載は基準に該当しません。 - 肩外旋・内旋 – 前腕回内位
この選択肢は誤りです。
肩関節外旋・内旋の測定では、前腕の回内位ではなく肘を90度屈曲させた位置で測定することが基準です。このため記載が基準に反しています。 - 肘屈曲・伸展 – 前腕回外位
この選択肢が正解です。
肘関節の屈曲・伸展では、前腕を回外位にした状態で行うことが基準です。このため、この記載は正しいといえます。 - 前腕回内・回外 – 肘 90 度屈曲位
この選択肢が正解です。
前腕の回内・回外の測定は、肘を90度屈曲した位置で行うことが基準です。この記載は正しいといえます。 - 手屈曲・伸展 – 前腕回内位
この選択肢は誤りです。
手関節屈曲・伸展の測定は、前腕中間位または回外位で行うことが基準です。回内位は基準に反しています。
ワンポイントアドバイス
日本整形外科学会の可動域測定法に基づく上肢測定では、以下を押さえましょう:
手関節の測定では、中間位や回外位が標準です。
これらの基準を理解して、選択肢の適否を判断できるようにしましょう。
肘屈曲・伸展は前腕回外位、前腕回内・回外は肘90度屈曲位が基準。
肩関節の測定では肘や前腕の位置も重要ですが、安定した姿勢を保つことが優先されます。