第58回

第58回理学療法士国家試験 午後問題16

18 歳の男子。野球肘の診断で理学療法を行うこととなった。上肢の関節可動域測定法(日本整形外科学会、日本リハビリテーション医学会基準による)の運動と測定肢位の組合せで正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 肩屈曲・伸展 – 前腕回外位
  2. 肩外旋・内旋 – 前腕回内位
  3. 肘屈曲・伸展 – 前腕回外位
  4. 前腕回内・回外 – 肘 90 度屈曲位
  5. 手屈曲・伸展 – 前腕回内位

解答解説

正解は3. 肘屈曲・伸展 – 前腕回外位4. 前腕回内・回外 – 肘 90 度屈曲位です。

日本整形外科学会および日本リハビリテーション医学会が定める関節可動域測定法において、以下のような基準が定められています。
正解の選択肢について、測定肢位が基準に準拠している点を確認します。

各選択肢の解説

  1. 肩屈曲・伸展 – 前腕回外位
    この選択肢は誤りです。
    肩関節屈曲・伸展の測定では、前腕の回外位は必須ではありません。肩屈曲・伸展は、体幹に対して安定した中間位で測定するため、この記載は基準に該当しません。
  2. 肩外旋・内旋 – 前腕回内位
    この選択肢は誤りです。
    肩関節外旋・内旋の測定では、前腕の回内位ではなく肘を90度屈曲させた位置で測定することが基準です。このため記載が基準に反しています。
  3. 肘屈曲・伸展 – 前腕回外位
    この選択肢が正解です。
    肘関節の屈曲・伸展では、前腕を回外位にした状態で行うことが基準です。このため、この記載は正しいといえます。
  4. 前腕回内・回外 – 肘 90 度屈曲位
    この選択肢が正解です。
    前腕の回内・回外の測定は、肘を90度屈曲した位置で行うことが基準です。この記載は正しいといえます。
  5. 手屈曲・伸展 – 前腕回内位
    この選択肢は誤りです。
    手関節屈曲・伸展の測定は、前腕中間位または回外位で行うことが基準です。回内位は基準に反しています。

ワンポイントアドバイス

日本整形外科学会の可動域測定法に基づく上肢測定では、以下を押さえましょう:
手関節の測定では、中間位や回外位が標準です。
これらの基準を理解して、選択肢の適否を判断できるようにしましょう。
肘屈曲・伸展は前腕回外位、前腕回内・回外は肘90度屈曲位が基準
肩関節の測定では肘や前腕の位置も重要ですが、安定した姿勢を保つことが優先されます。