第59回理学療法士国家試験　午後問題40

末梢神経障害による感覚障害に伴う運動失調の治療法で適切でないのはどれか。

1. 重錘負荷
2. 弾性緊縛帯
3. 電気刺激療法
4. 姿勢鏡を用いた立位練習
5. 歩行補助具を用いた歩行練習

解答解説

正解は「3」です。

電気刺激療法は、筋力低下や神経機能の改善を目的とする治療法であり、感覚障害による運動失調に対しては直接的な効果が期待できません。運動失調は、運動制御の問題が主であるため、補助的な感覚入力や視覚的フィードバックを用いる方法がより適切です。

選択肢ごとの解説

1. 重錘負荷
   末梢神経障害による運動失調では、重錘負荷を用いることで筋活動を安定化させることができます。動きのブレを抑える効果があり、適切な方法です。
2. 弾性緊縛帯
   弾性緊縛帯は感覚入力を増加させ、運動の制御を補助する役割を果たします。感覚障害に伴う運動失調に有効です。
3. 電気刺激療法
   正解です。 電気刺激療法は感覚障害による運動失調への直接的な改善効果は期待できません。これは筋力強化には役立つものの、運動制御には不十分だからです。
4. 姿勢鏡を用いた立位練習
   視覚フィードバックを利用して姿勢や動きを確認する方法であり、感覚障害による運動失調の治療に有効です。
5. 歩行補助具を用いた歩行練習
   歩行補助具は安全性を高めるだけでなく、動作の安定性を補助するため、感覚障害による運動失調に適した方法です。

ワンポイントアドバイス

感覚障害に伴う運動失調の治療では、視覚的、触覚的なフィードバックを活用して動作を補助する方法が有効です。一方で、電気刺激療法のように感覚補助の効果が限定的な方法は適用を考慮する必要があります。適切な治療法を選択するため、運動失調の原因をしっかり理解しておきましょう。