図のような所見において考えられるのはどれか。
- 仙腸関節機能不全
- 右股関節脱臼
- 右膝蓋骨脱臼
- 右半月板損傷
- 右後十字靱帯損傷
解答解説
正解は2. 右股関節脱臼です。
図では、仰臥位で膝を立てた姿勢において右膝が外側に倒れ、骨盤の高さに左右差がみられます。この所見は、右股関節脱臼の典型的な兆候です。脱臼により右股関節の位置異常が生じ、骨盤の傾きや膝の崩れが観察されることがあります。特に、脱臼が未治療または慢性的な場合にこのような姿勢異常が目立つことがあります。
各選択肢の解説
- 仙腸関節機能不全
この選択肢は誤りです。仙腸関節機能不全では、骨盤や腰部に痛みが生じることがありますが、今回のような右膝の外側倒れや股関節の位置異常は説明できません。 - 右股関節脱臼
この選択肢が正解です。股関節脱臼では、骨盤の左右差や膝の外側倒れが典型的な所見として見られます。図はこれに一致します。 - 右膝蓋骨脱臼
この選択肢は誤りです。膝蓋骨脱臼では膝蓋骨の外側偏位が特徴ですが、今回のような股関節や骨盤の不均衡は通常見られません。 - 右半月板損傷
この選択肢は誤りです。半月板損傷では膝の屈曲や伸展時に疼痛やクリック音が生じることが多いですが、図に示される姿勢異常は典型的な半月板損傷の所見ではありません。 - 右後十字靱帯損傷
この選択肢は誤りです。後十字靱帯損傷では、膝の不安定感や後方への変位が見られますが、図のような骨盤の傾きや膝の外側倒れを説明するものではありません。
ワンポイントアドバイス
股関節脱臼では、骨盤の左右高さの不均衡や下肢の位置異常が観察されます。特に脱臼後の慢性化や筋力の不均衡により、図のような膝の外側倒れが発生します。股関節の位置異常を示す典型的な姿勢所見として覚えておきましょう。ず疑うことが重要です。