第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題78

性的な欲動をコントロールするために、性的なことを理論的に分析しようとする防衛機制はどれか。

  1. 抑圧
  2. 行動化
  3. 知性化
  4. 反動形成
  5. スプリッティング

解答解説

正解は3.知性化です。

知性化(知的化)は、不安や葛藤などの感情的な問題を直接受け入れる代わりに、それを抽象的、理論的に考察することでコントロールしようとする防衛機制です。性的な欲動を理論的に分析する行為は、感情を抑える手段として典型的な知性化の例です。

各選択肢の解説

  1. 抑圧
    この選択肢は誤りです。抑圧は、不快な感情や記憶を意識から排除する防衛機制で、欲動の理論的分析とは関係ありません。
  2. 行動化
    この選択肢は誤りです。行動化は、感情を制御する代わりに衝動的な行動で表現する防衛機制です。
  3. 知性化
    この選択肢が正解です。知性化は、感情を抑え、理論的または抽象的な思考に置き換える防衛機制です。
  4. 反動形成
    この選択肢は誤りです。反動形成は、本来の欲求と正反対の行動や感情を示す防衛機制です。
  5. スプリッティング
    この選択肢は誤りです。スプリッティングは、物事を極端に「良い」「悪い」と分けて捉える防衛機制であり、欲動のコントロールとは異なります。

ワンポイントアドバイス

知性化は感情を知的に処理することで不安を軽減しますが、問題の感情的側面を無視してしまうリスクがあります。特に心理的防衛機制の分類は試験で頻出なので、それぞれの特徴をしっかり覚えましょう。