四肢切断後の幻肢痛への対応で正しいのはどれか。2つ選べ。
- ミラーセラピーが有用である。
- 経皮的電気刺激法は禁忌である。
- 義肢装着練習は幻肢痛を増悪させる。
- 患者に幻肢痛が残存している部位をイラストで図示させる。
- 鎮痛薬はプレガバリンよりも非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉を優先する。
解答解説
正解は「1」と「4」です。
幻肢痛への対応では、リハビリテーション的アプローチと薬物療法の組み合わせが重要です。
- ミラーセラピーは、幻肢痛の軽減に有効とされており、切断後のリハビリテーションで広く活用されています。
- 幻肢痛の部位を図示させることは、患者の主観的な痛みを視覚化し、治療方針を検討する上で有用な手段です。
選択肢ごとの解説
- ミラーセラピーが有用である。
正解です。ミラーセラピーは、鏡を用いて幻肢が動いているかのような錯覚を患者に与える方法で、神経の可塑性を利用して痛みを軽減します。 - 経皮的電気刺激法は禁忌である。
誤りです。経皮的電気刺激法(TENS)は幻肢痛の緩和に有効であることが報告されており、禁忌ではありません。 - 義肢装着練習は幻肢痛を増悪させる。
誤りです。義肢装着練習は、適切に行われれば幻肢痛を軽減する効果があります。増悪させる可能性は低いです。 - 患者に幻肢痛が残存している部位をイラストで図示させる。
正解です。幻肢痛の部位を図示することで、痛みの位置や範囲を具体化し、治療計画を立てる際の重要な参考になります。 - 鎮痛薬はプレガバリンよりも非ステロイド性抗炎症薬〈NSAIDs〉を優先する。
誤りです。幻肢痛は神経因性疼痛であるため、プレガバリンやガバペンチンなどの神経調整薬が優先されます。NSAIDsは通常第一選択にはなりません。
ワンポイントアドバイス
幻肢痛は神経因性疼痛に分類され、薬物療法だけでなく、ミラーセラピーや経皮的電気刺激法(TENS)などの非薬物療法も重要です。患者の痛みを具体的に把握するために、図示などの手法を活用し、個々の状況に応じた多面的な対応を行いましょう。