第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題37

痙直型脳性麻痺児の陽性徴候はどれか。

  1. 運動麻痺
  2. 感覚障害
  3. 共同運動
  4. 筋力低下
  5. 巧緻運動障害

解答解説

正解は「3」です。

陽性徴候は、病的な症状として新たに現れる異常な運動や反射を指します。痙直型脳性麻痺児では、共同運動(病的な反射パターンに基づく動き)が特徴的な陽性徴候です。これにより、意図した動作中に不随意な筋緊張や他の部位の動きが誘発されることがあります。

一方、運動麻痺や筋力低下などの項目は陰性徴候(正常機能の低下)に該当します。

選択肢ごとの解説

  1. 運動麻痺
    運動麻痺は正常な運動機能の低下を指し、陰性徴候に該当します。陽性徴候ではありません。
  2. 感覚障害
    感覚障害も正常な感覚機能の低下に分類されるため、陽性徴候ではありません。
  3. 共同運動
    正解です。 痙直型脳性麻痺児に特徴的な病的な運動パターンで、異常な共同運動は陽性徴候として分類されます。
  4. 筋力低下
    筋力低下は正常な筋力の減少を意味し、陰性徴候に分類されます。陽性徴候ではありません。
  5. 巧緻運動障害
    巧緻運動障害は、運動制御の低下による動きの不正確さを指し、陰性徴候に該当します。

ワンポイントアドバイス

痙直型脳性麻痺児の運動障害を理解する際には、陽性徴候(新たな病的運動)と陰性徴候(正常機能の低下)を区別することが重要です。共同運動や痙縮などは陽性徴候の代表例であるため、試験対策ではこれらをしっかり覚えておきましょう。