運動単位で正しいのはどれか。2つ選べ。
- 運動単位には求心性線維が含まれる
- 筋を徐々に収縮すると大きな運動単位が先に活動を始める
- 筋が収縮する際に運動単位の数が増加していく過程を動員という
- 細かい動きが要求される筋は一つの運動ニューロンが支配する筋線維数が多い
- 一つの運動ニューロンを刺激すると、その支配下にある筋線維が同時に収縮する
解答解説
正解は 3. 筋が収縮する際に運動単位の数が増加していく過程を動員という, 5. 一つの運動ニューロンを刺激すると、その支配下にある筋線維が同時に収縮する です。
運動単位とは、一つの運動ニューロンと、そのニューロンが支配するすべての筋線維の集合です。運動単位には求心性線維は含まれず、筋線維への刺激は遠心性(遠心性線維)で行われます。また、運動単位は収縮の強さや細かさに応じて増加していく(動員)ため、徐々に筋収縮が強化されます。
各選択肢の解説
- 運動単位には求心性線維が含まれる
運動単位は遠心性(運動ニューロンから筋へ伝達される)線維のみで構成され、求心性線維(感覚情報を脊髄に送る線維)は含まれません。運動単位は運動ニューロンと筋線維の組み合わせです。 - 筋を徐々に収縮すると大きな運動単位が先に活動を始める
筋を徐々に収縮するときは、小さな運動単位(小型の運動ニューロン)が先に動員され、徐々に大きな運動単位が動員されます。これはサイズの原理と呼ばれるもので、この選択肢は誤りです。 - 筋が収縮する際に運動単位の数が増加していく過程を動員という(正解)
運動単位の数が増加していくことを動員(Recruitment)といいます。徐々に多くの運動単位が動員されることで、筋の収縮力が増強されます。 - 細かい動きが要求される筋は一つの運動ニューロンが支配する筋線維数が多い
細かい動きが要求される筋では、運動ニューロン1つあたりの支配する筋線維の数が少なくなります。これにより、精密なコントロールが可能になります。この選択肢は誤りです。 - 一つの運動ニューロンを刺激すると、その支配下にある筋線維が同時に収縮する(正解)
一つの運動ニューロンが活動すると、そのニューロンが支配するすべての筋線維が同時に収縮します。これにより、運動単位が一つの単位として機能します。
ワンポイントアドバイス
運動単位の「サイズの原理」(小さな運動単位から順に動員される)や、「動員」(収縮力の増加に伴う運動単位数の増加)を理解しておきましょう。また、細かい動作を行う筋では1つの運動ニューロンが支配する筋線維の数が少なくなり、より精密な運動が可能になります。