第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題35

正常歩行の立脚相で筋活動が最大となるのが最も遅いのはどれか。

  1. 大殿筋
  2. 大腿四頭筋
  3. 大腿二頭筋
  4. 前脛骨筋
  5. 下腿三頭筋

解答解説

正解は「5」です。

下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)は、歩行の立脚相後期である**蹴り出し(プッシュオフ)**で最大の筋活動を示します。このタイミングは立脚相の最後に位置し、重心を前方に移動させるために強力な足関節底屈筋力が必要です。他の選択肢の筋は、立脚相のより早い時期に最大活動を示します。

各筋の立脚相での活動ピーク

  1. 大殿筋
    立脚相初期(ヒールストライクから荷重応答期)で活動が最大になります。股関節伸展を制御し、体幹の安定性を保つ役割を担います。
  2. 大腿四頭筋
    立脚相初期(荷重応答期)で活動が最大になります。膝関節屈曲を制御し、荷重を受け止めるために重要です。
  3. 大腿二頭筋
    立脚相中期から後期にかけて活動しますが、最大活動はスイング相初期に見られるため、立脚相では他の筋より遅い活動ピークはありません。
  4. 前脛骨筋
    立脚相初期(ヒールストライク時)に活動が最大になります。足関節を背屈させ、かかと接地を安定させる役割を持ちます。
  5. 下腿三頭筋
    正解です。立脚相後期(蹴り出し)で最大活動を示し、体重を前方に推進する力を生み出します。

ワンポイントアドバイス

正常歩行における筋活動のピークタイミングを把握することは、歩行分析や異常歩行の評価に役立ちます。特に下腿三頭筋の活動は、プッシュオフの重要性を理解する上で中心的な要素です。試験対策として、各筋がどの相でピークに達するかを整理して覚えておきましょう。