第59回

第59回理学療法士国家試験 午前問題34

Parkinson病で正しいのはどれか。

1.感覚障害が出現する。
2.安静時振戦が出現する。
3.深部腱反射が亢進する。
4.症状の日内変動は少ない。
5.発症初期には症状が左右対称に出現する。

正解は2です。

解答解説

正解は 2.安静時振戦が出現する です。

  • 安静時振戦はParkinson病の特徴的な症状のひとつで、四肢の安静時に小刻みな振戦(手や指が震える)が見られることがあります。これは、主にドーパミン不足による基底核の機能低下が原因とされています。安静時振戦は、動作を始めると減少する傾向があり、動作中よりも安静時に目立つため、「安静時振戦」と呼ばれます。

選択肢の解説

  1. 感覚障害が出現する
    誤りです。Parkinson病の主要な症状は運動症状(振戦、筋強剛、無動、姿勢保持障害)であり、感覚障害は一般的には見られません。ただし、進行した場合に非運動症状として痛覚異常や便秘、嗅覚障害などが現れることがありますが、感覚障害は典型的な症状ではありません。
  2. 深部腱反射が亢進する
    誤りです。Parkinson病では、深部腱反射が亢進することはほとんどありません。むしろ、筋緊張の増加(筋強剛)や運動が遅くなる無動が特徴です。深部腱反射の亢進は、上位運動ニューロン障害(例えば、脳卒中など)の場合に見られる所見です。
  3. 症状の日内変動は少ない
    誤りです。Parkinson病の症状は、ドーパミン薬の効果が切れる時間帯などで日内変動が見られることがあります。特に、薬の効果が低下すると症状が悪化する「ウェアリングオフ」現象や、薬の効果が強すぎて過運動が起こる「オン・オフ現象」が進行期の患者で見られることがあります。
  4. 発症初期には症状が左右対称に出現する
    誤りです。Parkinson病の発症初期には、症状が左右非対称に現れることが多いです。片側の手や足に安静時振戦が見られるなど、非対称性の症状が特徴的で、進行すると次第に両側に症状が広がることが一般的です。

ワンポイントアドバイス

Parkinson病は、運動症状の「安静時振戦」「筋強剛」「無動」「姿勢保持障害」が4大症状とされています。症状は非対称に始まり、薬の効果による日内変動が見られることもあります。非運動症状も含め、総合的な管理が必要な疾患です。