内側型変形性膝関節症における歩行の特徴で正しいのはどれか。
- 歩隔は狭くなる。
- 両脚支持期は短くなる。
- 骨盤の回旋は大きくなる。
- 股関節伸展角度は増加する。
- 床反力前後成分は小さくなる。
解答解説
正解は「5」です。
内側型変形性膝関節症では、膝関節の痛みや不安定性を避けるため、歩行時の荷重が抑えられ、床反力の前後成分が小さくなる傾向があります。特に、前後成分が小さくなることで推進力が低下し、エネルギー効率が悪化します。
選択肢ごとの解説
- 歩隔は狭くなる。
変形性膝関節症では、安定性を保つために歩隔が広くなる傾向があります。歩隔が狭くなるのは適切な説明ではありません。 - 両脚支持期は短くなる。
痛みによる不安定性から、両脚支持期はむしろ延長することが多いです。 - 骨盤の回旋は大きくなる。
骨盤の回旋は膝の痛みや不安定性から小さくなる傾向があります。大きくなることは一般的ではありません。 - 股関節伸展角度は増加する。
膝痛の影響で股関節の伸展角度は制限されることが多く、増加することはありません。 - 床反力前後成分は小さくなる。
正解です。膝関節にかかる負担を軽減しようとするため、推進力に関連する床反力の前後成分が低下する特徴がみられます。
ワンポイントアドバイス
内側型変形性膝関節症では、痛みと不安定性が歩行パターンに大きな影響を与えます。床反力の前後成分の低下は、膝関節の保護を目的とした代償的な動きです。試験では、変形性膝関節症の影響を正確に理解しておくことが重要です。