第59回

第59回理学療法士国家試験 午後問題28

H反射を導出するために刺激する神経で正しいのはどれか。

  1. α運動神経線維
  2. γ運動神経線維
  3. Ia群求心性線維
  4. Ib群求心性線維
  5. Ⅱ群求心性線維

解答解説

正解は「3」です。

H反射は、Ia群求心性線維を電気刺激することで誘発される反射です。これにより、脊髄内の単シナプス反射経路が活性化され、α運動神経を介して筋収縮が起こります。H反射は腱反射に類似していますが、筋を直接叩かずに電気刺激を用いる点が異なります。臨床では、末梢神経や脊髄の機能評価に用いられます。

選択肢ごとの解説

  1. α運動神経線維
    H反射においては、刺激の最終出力となる線維ですが、直接刺激されるわけではありません。Ia群求心性線維がまず刺激され、その後α運動神経が興奮します。
  2. γ運動神経線維
    γ運動神経線維は筋紡錘の感度調整に関与しますが、H反射の経路には直接関与しません。
  3. Ia群求心性線維
    正解です。H反射はIa群求心性線維を介して単シナプス反射を引き起こすことで筋収縮が生じます。
  4. Ib群求心性線維
    Ib群求心性線維はゴルジ腱器官からの入力を伝えますが、H反射には関与しません。
  5. Ⅱ群求心性線維
    Ⅱ群求心性線維は筋紡錘の二次終末からの情報を伝えますが、H反射には関与しません。

ワンポイントアドバイス

H反射は、腱反射と異なり、刺激強度を調整することで反射の閾値や経路の興奮性を評価できるため、脊髄や末梢神経疾患の診断に役立ちます。Ia群求心性線維が刺激の出発点であることを覚えておくと、関連する問題への応用が効きます。