第58回

第58回理学療法士国家試験 午前問題49

安全対策に関する理論である Heinrich の法則で正しいのはどれか。

  1. 医療安全に特化した法則である。
  2. ばらつきの法則と呼ばれている。
  3. 有害事象を5段階で示している。
  4. 1つの重大な事故に対して多数の軽微な事故が発生している。
  5. 重要な20%が全体の方向性を決定しているという法則である。

解答解説

正解は4.1つの重大な事故に対して多数の軽微な事故が発生しているです。

Heinrichの法則(ハインリッヒの法則)は、「1件の重大な事故の背景には29件の軽微な事故と300件のヒヤリハットが存在する」という比率で知られ、事故予防の重要性を強調する理論です。他の選択肢はHeinrichの法則に関連しません。

各選択肢の解説

  1. 医療安全に特化した法則である。
    この選択肢は誤りです。Heinrichの法則は、産業安全分野で提唱された理論であり、医療安全に特化していません。
  2. ばらつきの法則と呼ばれている。
    この選択肢は誤りです。ばらつきの法則ではなく、1:29:300の比率を示す理論です。
  3. 有害事象を5段階で示している。
    この選択肢は誤りです。有害事象を5段階で示すものではありません。
  4. 1つの重大な事故に対して多数の軽微な事故が発生している。
    この選択肢が正解です。Heinrichの法則の1:29:300の比率が、この選択肢の内容に該当します。
  5. 重要な20%が全体の方向性を決定しているという法則である。
    この選択肢は誤りです。この記述はパレートの法則(80:20の法則)に該当します。

ワンポイントアドバイス

Heinrichの法則の「1:29:300」の比率は、潜在的な軽微な問題を改善することで重大事故を防止できることを意味します。医療現場でも応用される重要な理論です。