運動制御における内部モデル形成で重要な役割をもつ中枢神経系はどれか。
- 小 脳
- 中 脳
- 視床下部
- 大脳皮質
- 大脳辺縁系
解答解説
正解は 1. 小脳 です。
解説
内部モデルとは、運動の際に身体の状態や環境の影響を予測して運動を計画・調整する脳の仕組みを指します。運動の効率化や精度の向上に重要な役割を果たします。この内部モデルの形成と適応には小脳が中心的な役割を担います。
- 順モデル(forward model): 運動の結果を予測し、運動中のフィードバックを用いる。
- 逆モデル(inverse model): 運動目標を達成するために必要な筋活動を計算する。
小脳はこれらのモデルを使い、運動の精度を高める役割を果たします。また、感覚情報と運動出力を比較して誤差を修正する機能(エラー修正)を担っています。
各選択肢の解説
- 小脳(正解)
小脳は内部モデルの形成において中心的な役割を果たし、予測的な運動制御やエラー修正を可能にします。 - 中脳
中脳は視覚や聴覚の反射的な運動調整(例: 視覚刺激に応じた追従運動など)に関与しますが、内部モデル形成の主要な中枢ではありません。 - 視床下部
視床下部は自律神経系やホルモン調節の中枢であり、運動制御や内部モデル形成には直接関与しません。 - 大脳皮質
大脳皮質は運動の計画や随意運動の実行に関与しますが、内部モデルの形成やエラー修正の役割は小脳が主に担います。 - 大脳辺縁系
大脳辺縁系は感情や記憶に関与する部位であり、運動制御や内部モデルの形成には直接的な関与はありません。
ワンポイントアドバイス
運動制御において、小脳は予測的制御やフィードバック制御の両方に関与します。運動学習や反復練習による運動の洗練も小脳の働きによるものです。運動障害が見られる場合には小脳機能の評価が重要です。